抱き合わせ販売の違反事例とその見解(エレベーター保守業務)

エレベーター保守業務

エレベーターの保守業務では、メーカー系列の保守事業者と複数のメーカーの保守を行う独立系保守事業者があります。あるメーカーは、独立系保守事業者からの部品の注文に対し、納入を遅らせるなどの対応を取っていたことが問題となりました。

エレベーター本体の販売と保守事業を抱き合わせたと構成されることで独禁法違反に!

エレベーターを販売するメーカーと保守事業者は、法人格としては別であるが独占禁止法の適用では、(エレベーターを販売する段階で)保守サービスに抱き合わせたと構成することで補足されます。

エレベーターのような初期コストが大きい市場では保守事業に不満があっても、利用者は他に転換しにくいという特性が指摘されることもあります(ロック·イン市場)。

エレベーターの保守事業について第三国にエレベーターを販売する際に、現地の保守業者に委託するなどの事情がある場合、日本国内でメーカー系列の保守業者以外に部品の販売を遅らせることについて、安全のためなどの正当化事由が認められにくいと考える余地があるように思われます。

事業のあり方、生活への影響

以前はメーカー系列の保守業者が多かったが、エレベーターでメーカーと異なる保守業者が利用されていることが珍しくなくなったと感じられます。

→ 保守事業についての競争の活発化
→ 同じサービスに対する価格の低下
→ エレベーター保守コストの低下