公取委は、動画配信サービスを視聴できるスーマートテレビが搭載するOSについて実態調査を始めると発表しました。
このニュース、ネットフリックスや巨大ITなどのワードが出てきていますが、少し分かりにくいかもしれません。
スマートテレビを使っていると、基本画面で動画配信サービスのアプリが複数表示されます。ネットフリックスの他にも、Amazonプライム、Huluなど多くのアプリがあるわけです。
そこで、表示される順番は視聴者が情報をテェックするにあたり、アプリ選択に影響することが考えられます。巨大ITとありますが、大手のアプリは利用率が元々高く、利用率が高いアプリが前に表示されることはユーザーの利便性の観点から基本的には問題ないかと考えられます。
しかしながら、OS提供メーカーのライバルアプリについて、その利用率が高くなると見えにくい位置に移動させるなどの操作が加わることがあれば、そこに競争を制限する人為性が認められ、独占禁止法違反となる可能性が生じます。
公取委が実態調査するからには、そのきっかけとなる情報も掴んでいるはずです。いきなり違反行為を摘発する可能性が高いわけではありませんが、違反行為となりうる行為を指摘することによって、違反行為の抑止を達するかもしれません。
消費者に受けるサービスほど排斥されるような望ましくない市場慣行があるとすれば、それが是正されることになるでしょう。今回のニュースはこのような意味があるのではないかと思われます。